山田の奥さん

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『はい、もしもし。』 『はじめまして。ぱぱと申します。この度は、うちの家内が、とんでもない事をしでかしまして、誠に申し訳ございません。』 まずは奥さんに詫びを入れたかった。 浮気にいいも悪いもない。お互い同意なのだから、条件は五分五分だとは思っている。 ただ、奥さんに対しては、謝るのが筋かな?って感じ、真っ先に出たのは謝罪の言葉だった。 『ホントにビックリしました。まさか主人が浮気してたなんて…』 『ええ、私もです。』 『でも、お誘いになったのは全てそちらの奥様だそうで。』 (?_?メ)カチン[★] 『それは、ご主人が?』 『ええ、こちらもいい迷惑です。』 (?_?メ)カチンカチン[★] 『しかし、会っていたのは毎回、ご主人が顧問なさってるクラブの大会の日、しかも会場近くのご主人が宿泊されてるホテルなんですが?いくら何でも、ウチの家内が、ご主人のスケジュールを熟知していたとは思えませんし、場所も知らない所ばかり。ご主人からお声が掛からないと、会う事は出来ないと思うのですが…?』 『さあ、それは解りませんが、とにかく私も被害者なんで。』 (?_?メ)カチンカチンカチン[★] 『それでですネ、ご主人と話をさせて頂きまして、ちょっとご主人の方から私にですネ、一切の謝罪も無いんです。聞けば、現役の高校教師さんですよネ?子供達に何かを教える立場の大人、しかも先生が、ゴメンナサイの一言も言わないなんて、どう思われます?』 『さあ、私には関係のない事ですから。』
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