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『ウチのヤツで何人目だよ?今の生徒さんも被害にあってんじゃねーの?』
『何を馬鹿な…この間も言いましたけど、僕は結婚するまで』
『童貞だったんだろ?そんな突飛な言い訳なんて、普通の奴は言わないよ。』
ここで突然、急に黙っていた妻が口を開いた。
『誘ったのは私なんですか?』
山田は頷いた。
『私があなたに抱いてくれって頼んだんですか?』
蚊の鳴くような小さな声…
『僕から誘ったかい?君が旦那さんと喧嘩していて、夜もご無沙汰で寂しいと言ったんじゃないか。』
『私は…』
ん?妻の様子がおかしい…
『ヒ…ドイ…全部…私…』
過呼吸起こしてる!!
『ハァ…ハァ…』
妻は椅子から崩れた。
『おい!しっかりしろ!』
『ママ!ちょっとやだ!平気?』
俺とヤンママが駆け寄る。
その時、山田は颯爽と席を立ち…
『なんか大変な様なので、僕はこれで帰ります。今度は、場所を変えて第三者を立てて話し合いましょう。』
それはまるで、
『さらばだ、明智君。』
と言いながら、颯爽と逃げて行く怪人20面相の如く…
逃げられた…
また詫び一つ言わない。
幸い、妻も大した事はなく、すぐに発作は治まったのだが、またしても山田は何も詫びる事なく逃げ帰った…
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