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一時帰宅し、心当たりのママ友に、深夜にもかかわらず電話を掛けてみる。
『うちには来てないヨ。でも心配だネ。あ、携帯に掛けてみた?』
そうだった💦携帯の存在を忘れてた💦
これで一発解決!!
そう思って携帯を鳴らしてみると、すぐ近くで着信音が…
携帯忘れていったのか…
そう、妻の携帯が、俺の目の前で鳴っている。
深夜2時。
ママ友に再び電話する。
『駄目だ。あいつ携帯置いて行った。』
『じゃあ、パパさぁ、緊急事態なんだから、携帯調べてみたら?』
『そうだネ。緊急事態だもんネ。』
夫婦の約束事の一つに、お互いの携帯を覗き見ないって事があったのだが…
俺は、少し罪悪感を感じながら妻の携帯を開いてみた…
俺の耳に当てていた受話器が落ちる…
ママ友が、
『もしもし、パパ?どうしたの?何か解った?もしもし?』
って言っているのが、かすかに聞こえた…
一瞬、時が止まり…
俺はすぐ受話器を拾い、ママ友に礼を言い、電話を切った。
煙草に火を点け、思わず呟く…
あいつ…浮気してたんか…
マンションの前に停めたままの車をしまいに外に出た。
深夜3時…。
車に乗り込もうとした所へ、妻が帰宅して来て俺に声を掛けた。
『何してるの?』
『お前が何してんだよ?お袋の家は9時に出たって聞いてんぞ。』
『もしかして、探してくれてた?ゴメン。ママ友とファミレスにいた。』
『何かあったかと思って携帯鳴らしたら、携帯は家ん中で鳴ってるし。』
『うん、ゴメン。』
『それから、後で話がある。話の内容は、お前の携帯の中に残ったままのメールの事だ。車を車庫に入れて来るから、寝ないで起きとけよ。』
一気に青ざめる妻。
顔はみるみる強張り、血相を変えて家に駆け込む。
俺は駐車場でハンドルに額を付け、フゥーッと一息ついてから、家に入って行った…
夏も終わる頃、順風満帆だった我が家が、一気に傾き始めた…
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