第三者介入~山田と決着

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帰宅した俺は悩んでいた。子供達には罪はない。 我が家の子供も、山田の子供も。晒し者になった事を考えると、胸が痛む。 妻が口を開く。 『どうするの?』 『どうするじゃねーだろ!お前のおかげで…俺のこの納まり切らない気持ちは、どうしたらいいんだよ!!』 『…』 『お前、いっそうの事、山田んとこに行っちまえよ!』 『やだ…』 『やだじゃねえだろ!?憧れの先生だったんだろ?山田と一緒になればいいじゃねーか!』 『パパの性格上、絶対私を許してくれないと思ってた…』 『当たり前だろ?何で山田なんだ?何で俺と面識の無い奴じゃねーんだ?浮気?結構じゃねーか。でもな、相手を選べよ!バレんじゃねーよ!』 『ゴメン…』 妻は泣き出した。 子供達が駆け寄る。 『ママをイジメルな!!』 普段は、全く痛くない子供達のゲンコツパンチ。 今日は痛い。胸に突き刺さる痛み…。 長男も次男も、泣きながら俺を殴る。 『ゴメンな。もうイジメないからさ。ママの近くにいてあげな。』 俺は電話を持って外に出た。 そして、弁護士のもとに電話をした。 『はい、もしもし』 『あ、ぱぱです。』 『考えはまとまったかな?』 『はい。色々と…お金も払わないのに良くして頂いて、ありがとうございました。』 『で、どうします?』 『やっぱり…子供達は…山田の子供達も晒し者には出来ません。やりきれないし、この気持ちをどこにぶつければいいか解らないけど、山田の事は諦めます…。』 『そうですか。それが一番かもしれませんネ。後は、あなたの家庭の問題です。きっと相手の家もあなたの家庭と同じ位苦しんでますヨ。頑張って。』 苦渋の決断だった。 怒りなんて収まらない。 こんな事なら、山田をブン殴って傷害でブチ込まれた方が良かったかも… 今も、山田は教師。何食わぬ顔で教壇に立っているでしょう。 そして今でも、俺の気持ちは晴れないまま… しかし、この山田事件の直後、またしても我が家を大きな波が飲み込んで行くのだった…
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