別れぬ理由②~ヘソの緒

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妻を家に残す事を決めたものの、苛立ちは消えず… 子供達さえいなければ… なんて考えてしまう毎日。妻とは、ほとんど会話もなく、子供絡みの話題を交わす程度になった。 時間が経つにつれ、妻もそれが不満に思えて来たのか、ある日、ヤンママが訪ねて来た。 『パパ、しばらく。奥さんと、あれ以来あんまし会話無いんだって?』 『ああ。』 『奥さんもさあ、かなりショックでさぁ、山田の態度。一生懸命忘れようとしてるんだから、解ってあげなヨ。』 『おいおい、ちょっと待てヨ。あのさぁ、忘れたいのはコッチなんだよ。あいつには、忘れてもらっちゃ困る訳。言ってる事がおかしくねー?』 何をやっても面白くない。怪人20面相の様に去って行った山田の顔が、脳裏に焼き付いて離れない。 ヤンママは、続けて俺を説得してた様だが、何を言われてたのか、全く覚えていない。 気が付くとヤンママの姿はなく、今後、ヤンママと会う事も無くなった。 忘れたいのは俺の方…。
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