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妻を家に残す事を決めたものの、苛立ちは消えず…
子供達さえいなければ…
なんて考えてしまう毎日。妻とは、ほとんど会話もなく、子供絡みの話題を交わす程度になった。
時間が経つにつれ、妻もそれが不満に思えて来たのか、ある日、ヤンママが訪ねて来た。
『パパ、しばらく。奥さんと、あれ以来あんまし会話無いんだって?』
『ああ。』
『奥さんもさあ、かなりショックでさぁ、山田の態度。一生懸命忘れようとしてるんだから、解ってあげなヨ。』
『おいおい、ちょっと待てヨ。あのさぁ、忘れたいのはコッチなんだよ。あいつには、忘れてもらっちゃ困る訳。言ってる事がおかしくねー?』
何をやっても面白くない。怪人20面相の様に去って行った山田の顔が、脳裏に焼き付いて離れない。
ヤンママは、続けて俺を説得してた様だが、何を言われてたのか、全く覚えていない。
気が付くとヤンママの姿はなく、今後、ヤンママと会う事も無くなった。
忘れたいのは俺の方…。
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