別れぬ理由②~ヘソの緒

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妻のお腹が、長男、次男の時よりも大きくならない。 女の子だから? そんな風に思っていた。 母や姉も、心配しながらも、きっと女の子だからと笑っていた。 姉の家は男の子一人。我が家は二人。初めての女の子。 俺は、この娘が女子高生になるまで、何とか若作りに励んで、腕を組んで渋谷辺りをショッピング。そんな夢を抱いていた。 山田に対する苛立ちも、娘との楽しい未来を考えると、多少紛らわす事が出来た。 そうそう、山田との事は、母も姉も未だに知らないでいる。 子供達も、 『早く産まれて来ないかなぁ。俺の妹。』 『何言ってんだよ!俺の妹だろ!』 『俺のだよ!』 と、まだ産まれていないのに喧嘩になる始末。 でも、この息子達が、俺の気持ちを和ませてくれる。 『お前らなぁ、赤ちゃんが産まれて来てまで、そんな調子でいると、二人とも嫌われるかんな。』 『ハーイ。』 『ハーイ。』 多分、俺の選択は間違っていなかった。 俺さえ我慢すれば、みんなが笑顔でいられる。 そう思っていた…
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