別れぬ理由③~この子を産んだら…

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『奥さんアナタ、こんな話ばかり旦那さんにされてたの?悲しかったでしょ?辛かったわよね。』 『私は産みたかったのに…』 妻が号泣しだした。 『旦那さん、奥さんはこんなにも産みたがってるんですヨ?』 『俺だって、出来れば娘に会いたい。そんなの当たり前でしょ!?』 なぜか無性に腹が立ってきた。 どこの世界に、自分の子供に会いたくない親がいる!? 『じゃあ、1500あるんだから、私は産むべきだと思います。』 『先生、簡単に言ってくれるけど、育てて行くのは俺達なんですよ。ウチには、母親を必要とする年齢の子供が二人いるんだ。この二人を放っておいて、両親揃って娘に掛かりっ切りになる訳にいかないでしょ?キレイ事じゃあ、子供は育てられないんですヨ!ましてや、十年以上待ち続けた娘。俺の気持ちだって解って下さいよ!』 『旦那さん、赤ちゃんに性別は関係無いでしょ?』 『そーゆー事を言ってるんじゃないだろ?』 段々と言い争いになって行く俺と江川先生。 妻が口を挟んだ。 『パパ、ごめん。やっぱり産みたい。私がキチンとするから。』 江川先生は一度退室。 俺と妻はもう一度話し合った。
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