別れぬ理由③~この子を産んだら…

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『お前、話しが違うじゃねーか。』 『だって、1500あるって事は、人間の形…もう赤ちゃんだって事なんだよ?それを思ったら産みたくなったんだもん。』 『気持ちは解るけどなぁ…』 確かに妻の胎内で、小さな我が娘は生きている。 『お前、仮に俺がまるっきり面倒を見ないと言ったら?それでも産むか?』 『…』 『そんな生半可な気持ちで、娘と向き合えるのかよ?』 『生半可じゃない。産む。』 『そうか。』 江川先生が戻って来た。 『お話はまとまりましたか?』 『はい。』 『では、私からも。現在、赤ちゃんは1500あります。これだけの大きさがあれば、産まれてみたらどこも問題無かった。なんてケースも多数あります。私としては、この大きさに賭けてみたいという思いがあります。』 妻が口を開く。 『じゃあ、無事に産まれる可能性の方が大きいと?』 『いえ、そーゆーケースもあるって話しで、後は産まれてみないと解りません。』 ヤレヤレ…医者ってゆーのは期待ばかり持たせる… 『旦那さん、どーですか?後は我々に全て任せて頂けませんか?』 『…』 『全て任せて下さい。』 『そんなに言うなら、ウチのも産みたがってますし…。任せて大丈夫なんですね?』 『ええ、任せて下さい。』 『解りました。』 俺もついに折れた。 やっぱり、娘に会いたいって気持ちが強く残っていたのだろう。 『話は決まりですネ。良かったですね、奥さん。じゃあ、奥さんには、今すぐ入院してもらいまして、赤ちゃんに万が一の事がないように、毎日対処して行きます。』 『今すぐですか?』 『はい。』 そして、妻は入院した。
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