別れぬ理由④~息子達

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一人の生活が始まった。 一人暮しが長かったせいか、別に苦でもない。 でも、気になるのは息子達の事。 毎日、仕事が終わると姉の家へ電話を入れる。 息子達から、学校であった事なんかを聞いて、オヤスミを言って切る。 そんな毎日を送り、初めての週末。 『一週間、よく頑張ったな。今日はウチに帰ろうな。』 『やったー』 二人とも大喜び。 家に戻ると、もう寝る時間。すると息子達は、 『今日はパパと一緒に寝たいなぁ。』 なんて言い出し、三人して川の字になって寝た。 翌朝、みんなで妻の病院へ。 妻の方は、これと言って何の検査をするでもなく、ただただ安静の日々って感じらしい。 娘は僅かずつだが、大きくなっている様だった。 息子達は、久し振りに再会した母親に甘え、気付けば夕方になっていた。 妻の病院を後にして、三人で近所のスーパーへ。 『今日は何食べたい?何でもいいぞ。』 『じゃあ、肉!』 『お前らさぁ、もっと、ハンバーグとか可愛い言い方出来ないの?』 『だって肉が食いたいんだもん。』 『よし、じゃあ焼肉にしよう!』 『うん!』 普通のバラ肉と野菜をフライパンで炒めて、大皿に乗せただけ。それを焼肉のタレに付けて食べさせた。 何て事のない料理。 二人は喜んで食べてくれた。 ②キロあった肉も、③合炊いたご飯も、全て二人の胃袋に納まるのは、かなりの誤算だったが…💦
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