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隣に人が越すことをそれとなく知っていたので、手間をかけさせてすみませんという気持ちで、ああわざわざすみません。と大げさに謝っておいた。
和歌崎さんは、ずいぶんと腰の低い人だった。
私がああわざわざすみませんと云うと、いえいえこちらこそすみませんとなぜか謝られた。
私が見上げなくても良いぐらいお辞儀をして、洗剤のようなずっしりとした重みのある紙袋を差し出してから「よろしくお願いします」と丁重に微笑んでからドアから離れた。
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