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 コーヒーが、切れた。 ページに簡素な栞をはさんで、豆を挽く。  雑音のようで、しかしそれは確かに音楽のように。コーヒー独特の香りがぷんと放たれた。  二杯目のカップを片手に、文字を飲み込む。今日も成功しそうだった。  読み終えたばかりの本と、半分になって冷めたコーヒー。三杯目ということもあり、さすがに今日はもう欲しいとは思わなかった。冷め切ったコーヒーを流し込むように飲んでから、時計を横目で見る。 「うそ、こんな時間」
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