†Jonny†さん

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空の満月は雲に隠れ、人も寝静まった漆黒の闇の中、中空に大小2つの人影が、不意に現れる。 「兄さん、今日の獲物は?」 影の1つ、小さい方が片割れに聞く。 「ん、子供だな。歳は10。望みは、パパとママが仲良くなりますように。だな」 大きい影、兄の言葉に小さい影は眉をひそめる。 「……そんな子供と契約するのか?」 「仕方ないだろう。仕事だ」 「うーん……」 腕を組む。 「……気に入らないか?」 「ああ……悪いのは親の方だろう?どうして子供が死なないといけない?」 「そんなこと言って、本当は子供を殺したくないだけだろ?お前は子供好きだからな」 「なっ!違うぞ!!俺は……」 「病気を治したいっていう子を勝手に完治させたのは誰だ?」 「うっ……」 「空を飛びたいって子に一晩付き合ったこともあったな」 「……」 「どれも魂どころか、命すらもらってない」 「に、兄さんなんか嫌いだ!?」 「疑問形か」 「うわあぁぁぁぁ!!」 ポンッと軽い音を立てて消える小さい方の影。 兄は1つ溜め息をついて、 「これでアイツのせいに出来るな……」 呟いた。
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