第一楽章 第五十小節

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ルヴェンとエルミナはこの教会に着いてからは、レッツォの計らいで修道士として身を潜めている。 二人の衣服は白をベースとした修道服で、この衣服なら何所へ行っても怪しまれることは少ない、という。 待ち合わせ場所である中央公園へと急ぐ二人は、 「エル! ちゃんと街の人に挨拶しなきゃだめだよ!? レッツォさんとの約束なんだから!」 「分かってるよ、うるさいなぁルヴェンは! 細かいこと気にし過ぎなんだって、ほら早く行こう」 レッツォとの約束、ソレはこの街に修道士として身を潜めているので、ちゃんと宗教の教えには従わなければならない。 無償の愛の名の下に誰かまわず丁寧に挨拶をする。コレだけは守りなさい、とレッツォに強く言われているのだ。 その約束を軽く見てしまってるエルミナにルヴェンは少しムッとしていたが、彼女の性格という物も加味し苦笑いを浮かべていた。 暫く走ると中央公園に辿り着いた。 青々とした芝生の広がる公園で、散歩道や池、ベンチも用意してあり、天気のいい日にのんびりするには持って来いの公園だ。 その中央には大きな噴水があり、この公園のシンボルともいえよう。 二人は息を切らせながら噴水へと辿り着いた。 ルヴェン 0df676bc-fd7f-46fc-a939-532593d44dde エルミナ f8531206-f080-40e1-b828-9e6f33392ab8
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