第一楽章 第五十小節

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朗らかな日差しが二人を包み、子供達の笑い声がその噴水前には広がっていた。 「レッツォさん、ここで待ってろって言ってたのに……。本当、時間にルーズな人だよね」 ルヴェンは辺りを見回しながら誘いの張本人であるレッツォの姿を探している。 すると、何かに気が付いたらしく、エルミナが急に走り出した。 「ルヴェン、こっちよ! 何か人が一杯だよ」 彼女が向かう先には、大勢の人だかりと大人が4~5人は入れそうな小さなテントが見えた。 「エル! 集合場所はここだよ!? どうしてすぐ勝手な行動するかなぁ……」 ルヴェンは呆れ顔で彼女の後を追いかける。 『約束』や『規則』と言うものに縛られ育った彼にとっては、自由奔放な彼女の行動は理解に苦しんでいるようだ。 苦笑いと冷や汗がルヴェンの顔を覆っていた。 エルミナが辿り着いた先には、彼女等が今まで見たことも無い光景が広がっていた。 陳腐で奇妙な音楽と共に数名の男女が舞を踊る。 その彼らの足元には、小さく可愛らしい人形やぬいぐるみが共に踊っているではないか。 ルヴェン、エルミナ共に小柄な体格を生かし人ごみを掻き分けこの光景を目の当たりにした。
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