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「すごい……」
一言声を漏らしたのはエルミナ。
彼女は食い入るように人形達の動きを見ていた。
ルヴェンはそんな彼女の方に手を乗せ、
「エル、これってもしかして『人形遣い』さんじゃないかな? 以前学校でそういう特殊な力を持った人たちがいるって聞いたことがあるよ」
と、彼女に声を掛けた。
エルミナは大変驚いている様子で、目をまん丸にしてルヴェンに聞き返す。
「ねね、ルヴェン。この人達の事知ってるの? 凄い可愛い!! ね、教えて教えて」
興味深々の彼女はルヴェンの襟元を掴み、まるで小さな子供のような仕草をしている。
そんな彼女の行動に少し頬を赤らめるルヴェン。
一息「コホン」と咳払いをした彼は『人形遣い』について彼女に説明を始めた。
彼の知り得る知識では、このファルシア世界の三大国家、ビルデン、フェルダイ、キラフの他に、どの国家にも属さない数多くの部族が存在している。
『人形遣い』達はその部族の一つであり、一つの場所に族長の村はあるが、そこから派生した人々は大道芸行商を生業として各地をめぐる移動民族らしい。
人口的に多くない民族で、煌びやかな都会よりも簡素な村に出向く事が多いので、出会った方が幸運ともいえる。
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