バレンタインデー

2/3
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
女「今日は楽しかった~!ホント、ありがとね♪」 トビキリの笑顔で、男に話し掛ける。 男「おぅ。俺も楽しかったょ!なかなかはしゃげたねーw」 男も、心底楽しかったと言わんばかりの笑顔を見せる。 なんつーほほえましい光景だろう。 女「なんたって、バレンタインだしね~!」 男「あー、そっか。それでカップル多めの、綺麗な飾りも多かったわけねー?」 男は……当然、気付いていた。でもとぼけていた。 だって、期待しているのがバレるのも恥ずかしかったし……まだ貰ってないし。 女「バカップルも多かったから……あたし達、浮かなかったよね?w」 男の顔を覗き込むように、女は首をかしげてみせる。 男「さぁ……たぶんなw」 正直、周りなんか見ていない。 でも、キラキラと輝いて見える女の顔なんか、 直視できる訳も無く、肩をすくめながら、周りに目をやった。 かわいくって、しょうがない。この子と付き合えて、ホントよかった。 少し顔を赤らめながら、そう思っていた。 周りを歩く恋人達は、腕を組んで歩いていたり、 笑顔をこぼしながら会話したり、とても幸せそうだ。 そんな景色の中に、違和感無く二人でいられることを……幸せに思う。 ……ちょっとぼんやり浸ってしまった男は、はっと我に返る。 そうそう、やっぱり聞いちゃおう!!男は、勇気を出して女に尋ねることする。 男:「あ、でさー……俺。そういえば、貰ってないんですけど?w」 いつものバック以外、荷物を持っていない彼女をみて、 少々がっかりしていたからか、少し意地悪な表情になる。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!