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変な場所へ連れていかれたのも、仲間が次々といなくなっていったのも。
人を殺したのも…、殺されたのも。
桜庭が死んだのも。設楽に殺されたのも。
「…夢、だったのか…」
「思い出したか?俺達監督に架空想像ゲームやらされてたんだよ」
「あぁ…そっか…」
そうだ、眠らされる前に変なコードつけられて。
東京選抜+aでデータを取るから…って、みんなこの部屋に集められたんだっけ。
「…イヤなゲームだな…すごくリアルだった…」
「お前さ。誰に殺されたか覚えてるか?」
「…設楽?」
「じゃあ誰殺したか」
「…えっと、東海の…あれ?東海だったっけ?」
「顔思い出せるか?」
「…無理」
まるで砂が手の平から零れ落ちていくかのように、緩やかに…しかし、確実に記憶
が薄れていく。
先程まで鮮明に思い浮かべる事が出来たはずの顔と名前。
それが数秒後の今、全く思い出せなくなっていた。
「…でも、恐いよ。もう…こんなのイヤだ」
「俺も、もう1度お前を庇うのなんてごめんだしな!」
「あ、言ったな?」
顔を見合わせてクスリと笑う。
戻ってきた、平和で幸せな日常の中で。
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