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俺、何してたんだっけ。
「…一馬?大丈夫?」
「一馬…起きてるのか?一馬…」
目を開けたら、そこに待ちかまえていたのは英士と結人で。
「あぁ…ゲームしてたんだっけ…」
頭の中では夢の記憶を現実に近いものから夢として整理して片付けている。
「一馬…?」
「人を殺すゲームなんかしたくなかったのに…強制参加なんだよな、これ」
「まだ寝惚けてんのか?ミョーに冷静で変だぞ?」
「寝惚けてなんかないよ。ちょっと頭ん中整理してた…」
ぐいっと髪をかきあげると突然その腕を取られて引き寄せられた。
英士の腕が俺を強く抱きしめて。
結人が俺の手を握って、優しく頭を撫でて。
「英士…?結人?」
「全部、夢だから…俺達は、ずっとここに居るから」
暖かい声が耳を撫でていく。
何故か熱い塊が頬を転げ落ちてった。
今、ここに2人は居て。
俺も、英士も、結人もこうやって生きていて。
抱きしめていてくれる。
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