26人が本棚に入れています
本棚に追加
「…シゲ以外の奴に、殺されたくないな…」
「竜、也…?」
「…早く、楽にしてくれ…」
「…そ…やな…」
自分でも、常から細いと思っていた首に、そっと大きな手がまわされる。
暖かく、しなやかな手が優しく肌を滑った。
「…シゲ…?」
「ん?」
「俺が迎えにいくまで、来んなよ」
「……そら、難しいなー…」
「俺の分まで、生きろ」
少し驚いたような顔をして、泣きそうな笑顔でゆっくりと、頷いた。
「愛しとるで、竜也」
「俺も愛してる。生きろよ…シゲ…」
お前らしく、強く。強く。
ぐっと喉を押されて、意識が遠のいていった。
最後に感じたのは、頬に落ちた熱い雫だった。
BLACK OUT.....
最初のコメントを投稿しよう!