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どのくらい時間が経ったのだろうか……。
どのくらい歩いたのだろうか……。
かなりの距離を歩いた気がする。
しかし、風景が変わることはない。
沈むことのない太陽が、いっこうに続く草原を赤く照らし続けている。
周りの人々はずっと同じペースで歩き続けている。
無表情で歩き続ける人々………、まるでロボットのようだ。
そんな人々を見ている僕も、その中の一人だということに僕は気がついていない………。
歩き続ける僕の頭の中は、さっき聞こえた声のことでいっぱいだった。
あの声はいったい何だったのか……。
途切れ途切れに聞こえた声。
何て言っていたのだろう……。
そして………、あの時感じた嫌な予感……。
いったいこの先には何があるんだ?
あの声はこの先にあるものを告げたのだろうか?
僕の頭の中は疑問だらけだった。
そのとき、ふと不自然な光景が目に入った。
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