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そう思った瞬間、昨日までの友達が競争相手に変わった。 同級生の数は、競争相手の数を意味する。 そう思った瞬間、世界の床が抜けユキは一気に深みへと沈んでいった。深く深く、底のみえない闇へと。 学校になんか行きたくない。 「行きたくなければ、行かなくてもいいんじゃよ」 とフクロウは云った。 「そうなの…?」 「そうじゃとも」 「そうかなぁ」 ユキは足をブラブラさせる。 「儂は君といるだけでたいへん愉しいがの」 「ほんとにッ?」 ユキはパッと顔を上げた。
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