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古い書物特有の臭いがぷんと鼻をついた。図書室には一般閲覧用の文献の他数多の魔法陣が収められている。中には学生に公開されない魔法陣も保存されていると聞く。
そういう意味で秘められた場所だ。
ユキとマリは、図書室の窓に腰掛けて向かいあっていた。
「どう、ペンダント買ってもらえそう?」
とマリが聞いた。
ユキは首を横に振る。
「だめっぽい…」
「ええ、なんで」
「買ってくれないこともないんだけどぉ」
「なんかあんの?」
「…うん」
学校で一番の魔法使いになること。それがお母さんのだした条件だ。
一番になるということは、即ちマリよりいい成績をとらなければならない。
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