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「いますぐというのは、ちぃとムリかもしれんのぉ」
とフクロウは云った。
「だいじょうぶ。私、がんばるから」
ユキは正座をしたまま一本杉の上で力強く頷く。
本来枝の上でバランスをとるのすら難しいというのに正座とは器用だ。さすがポテンシャルが高いだけのことはある。
「しかし、なんでまた急に歌を習いたいと思ったんじゃ?」
「ええっと、その…」
ユキは云い淀んだ。
「学校で歌の試験でもあるのかな?」
「そ、そう!歌の試験があるの」
ここぞとばかりに人差し指をビシッと突き出し答える。
「じゃ、断るわけにもいかんかのぉ」
躊躇いがちにそう云いつつもフクロウはなかなか首を縦に振らない。
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