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次の日の夕方。 フクロウの指導の下、ユキは歌の練習に励んでいた。 「おぅ牧場はどす黒い」 「だめじゃ」 「おぅ牧場はどす黒い」 「だめだめ」 が、どうもうまくいかない。しかも歌詞がまちがっている。 「だめじゃ、もう一回」 「そこはもっと高く、ゆっくり息を抜くんじゃ」 「ゆっくり、ゆっくり」 フクロウの指導の甲斐もなく、ユキは一向に上達する気配を見せなかった。 「ちょっと休憩じゃ」 「はああぁぁぁぁ」 ユキは溜息をつく。 「やっぱ、私って頭悪いんだぁ」 一番になれない自分が頭を掠める。 勉強してもダメ。 歌ってもダメ。 結局なにやってもダメなんだ。 だから、お母さんは…。 「はああぁぁぁ」 また溜息をつくユキ。 明らかにへこんでる。
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