--++†記憶†++--

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    私が自分の置かれた状況を理解し、そこから外に出ても闇は続いていた。   かつて城に住んでいた物は全て死に、この城に踏み入った者達も戦争が終わって自分の住むべき場所に帰ったからだ。     城の外も闇。   それが『夜』と言われる事を知ったのは、私が目覚めて何年かした後。     ただ…… 初めて外の世界に出て、 初めて夜空を目にして、 私は『綺麗』だと思った。   今まで闇しか知らなかった私にとって、月の光は眩しすぎた。    
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