--++†プロローグ†++--

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    「アリア様、ワインをお持ちしました」   部屋に正装をした背の高い青年が入る。 彼の名はレイ。 銀色のストレートな髪に、私よりも少し黒に近い紅の瞳。   トレーを持ち、静かに歩み寄る。 ドアは開けてあったのでノックはしない。 どうせこの城には私と彼の二人きりだ。 街の人も気味悪がって、滅多なことでは近付かない。   「ありがとう」   ほんの僅かに微笑んで、トレーに乗せられたグラスを受け取る。 血のように真っ赤なワイン。   これは茶番だ。 私の日常はつまらない物語。 だけど美しい。    
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