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Le matin de l'ouverture
「今日告白する。絶対に告白してやる」
待ち合わせ場所である、街で1番大きな噴水のある公園の、その噴水前のベンチに座って、俺は一人呟く。そして、さっきから何度も見ている腕時計に、俺はまた目をやる。
「時間は4時17分、と」
この動作も何回繰り返したのだろう。今日の俺はいつも以上に、いや、今まで生きてきた人生の中で、1番緊張している。
何しろ今日は、これからの俺の人生を左右すると言っても過言ではないほどの一大イベントの日だからだ。
「告白する。俺の素直な気持ちを、明日美に言うんだ。大丈夫だって、心配するな俺」
こうやって、約束の時間まで、自分を勇気付ける。
ふと、公園の入口に目をやると、その明日美がこっちに向かって歩いてきていた。まだ、約束の5時まで30分以上もあるってのに、相変わらずの絶対時間主義者だこって。
「さぁ、伝えるんだ」
俺も、座っていたベンチから腰を上げて、明日美の方へ歩きだす。
そして……
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