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「ここニャ」
男は少々驚いた様子で、視線を下に降ろした。
ドアから一段低くなっている所に、恥ずかし気にモジモジとしているメラルーがいた。
「こ、こんばんはニャ」
おずおずとメラルーは人語を喋った。
メラルーは二本足で立つだけでなく、人語も解する。さらに付け加えるならば、道具すらも使う。
「ふむ、メラルーがこんな時間に何の用だね?」
「あ…、あの…。」
メラルーは鼻を赤らめ
「こないだ助けてもらったお礼ですニャ」
手にした大喰いマグロの燻製を差し出した。
「おお…、あの時の…。」
白髪の男は思い当たる事があるらしく、ポンと手を叩いた。
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