第Ⅳ章 塗りつぶされる魂

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「……ふう」 ベッドに横たわり、ため息をつく。 もうここ1ヶ月ほど暇な日々が続いている。 ため息の一つも出るというものだ。 「……レン」 しかしそれ以上に俺の心を蝕むのは、一ヶ月前に俺の前から姿を消したあの少女だった。 「……」 なにを思ったか俺はポケットから携帯を取り出すと、いつものようにリダイヤルを押した。 「24です」 「お前か。どうした?任務は与えられていないというの。」 「いえ…。何もしていないと暇で仕方ないですね」 「暇か…。大方前回の任務で死んだあいつが頭をよぎって仕方ない、と言ったところか?」 「…!」 「忘れろ、24。お前は常に死と隣り合わせで生きているんだ。昔からそう教えているだろう」 「…忘れません。俺は忘れたいとは思いません」 「…24。お前が何故今まで生きてこられたか忘れたか?私に従っていたからだろう」 「感謝しています。しかし、これは譲れません」 「怪物になれ、24。人の幻影にすがってはすぐに命を落としてしまう」 「…怪物になるよりはマシです」 「…まあいいだろう。お前もいずれ気づく。どちらが正しいか、は。切るぞ」 通信の切れた電話を両手で握りしめ、呟く。 「…俺は間違ってない」
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