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「…ん?」
マンションに戻ってくると、俺の部屋の前に作業服姿の男が立っていた。
「…仕事か」
男の前まで歩き、立ち止まる。
「ナンバーズの24。新しい任務です。これを」
男は抑揚のない声でそう言うと、俺に大きな茶封筒を手渡してきた。
「わかった。お疲れさん」
俺はそれを片手で受け取るともう片方の手で鍵を開け、男のほうを見もせずに部屋に戻った。
――パタン、とドアが乾いた音を立てる。
「…ふー」
ガチャンと扉の鍵を閉め、小さく息を吐く。
これでいい。
任務に集中していれば、その間だけでもイヤなことは忘れていられる。
「…さて、早速取りかかるか」
俺は一瞬沈んだ心を振り切ると、封筒の中の資料に目を通した。
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