第Ⅳ章 塗りつぶされる魂

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「…ん?」 マンションに戻ってくると、俺の部屋の前に作業服姿の男が立っていた。 「…仕事か」 男の前まで歩き、立ち止まる。 「ナンバーズの24。新しい任務です。これを」 男は抑揚のない声でそう言うと、俺に大きな茶封筒を手渡してきた。 「わかった。お疲れさん」 俺はそれを片手で受け取るともう片方の手で鍵を開け、男のほうを見もせずに部屋に戻った。 ――パタン、とドアが乾いた音を立てる。 「…ふー」 ガチャンと扉の鍵を閉め、小さく息を吐く。 これでいい。 任務に集中していれば、その間だけでもイヤなことは忘れていられる。 「…さて、早速取りかかるか」 俺は一瞬沈んだ心を振り切ると、封筒の中の資料に目を通した。
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