第Ⅳ章 塗りつぶされる魂

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「…こんなガキが?」 恐らくまだ十代前半だろう。 顔にはまだ幼さが残っているし、なによりその瞳にあったのは殺意ではなく無邪気さだった。 「久しぶりだな、誰かと遊ぶの!」 陽気な声で言いながら攻撃を仕掛けてくる少女。 「くッ!」 その容姿とは対照的に彼女の戦い方はスマートだった。 ナイフと手足を上手く使い、相手に隙を作らせるように攻めてくる。 その戦い方はまるで―― 「…レンと戦ってるみたいだ。」 ――キィン! 少女と俺のナイフが交差する。 加えて、ドスンと鈍い衝撃が身体の節々を幾度も襲う。 「ちっ!」 見た目は小さいのに、なんて重い打撃なのか。 少女は俺の僅かな隙をねらって打撃を加えてくる。 ダメージが狙いではない。一撃必殺のための大きな隙を作らせる攻撃だ。 「あはは!すごい、すごい!こんなすごいの初めて!」 無邪気に笑いながらも攻撃の激しさは更に増してゆく。 「やばい…!」 身体が僅かに揺らぐ。 「はいっ!ゲームオーバー!」 その隙を見逃さず、少女は嬉しそうに叫んだ。
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