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「なー、秋は安藤のレポート書いた?」
「国際理解だろ?一昨日だした」
「は、マジで?何書いたんだよあんな題材で」
「教科書言い換えて、それから先生の分野褒め称えた」
「うわ抜け目ねーのな。さすが」
「締め切り明日だろ、早く出せよな」
「今日徹夜だわおれ」
「だろ。やってねーお前が悪い」
隣で今日のバイトの時間を確認しだした加藤を尻目に、おれは教室の前のほうに見える教卓の講師を見た。
今日も高田講師の授業は退屈だ。
それなりに大事な講義ではあったが、高田はいつも教材をそのまま読み、そのまま問題を投げかけるので、授業などあってないようなものだった。
よって、おれの前の席の奴は机に突っ伏し、その前の奴は他の授業のレポートを書き、その前の奴はケータイを見ている。
熱心にノートに書きとめる奴もいるが、おれのように教室の後ろ側に座る奴らはこんなもので。
学校など、大体がこんなものだった。
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