エンドレス鬼ごっこ2

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授業が終わると、加藤は急いで図書館へとレポートの資料を借りに行き、おれは今日の分の講義は終えたので帰ることにした。 見れば夕方四時を過ぎたくらいで、晩飯にも早いしかといって出かけるような気分でもない。 数秒考えて、すぐおれは考えるのが面倒になり、やっぱり帰ることにした。 部屋の冷蔵庫の中を思い出すとしなびたネギぐらいしか思い出せず、途中の商店街によってみる。 とはいえそこは商店街とは名ばかりで、大して大きな店も数もない通りだ。 それでもなぜかここではそこのことを商店街と言い、夕方にはそれなりに繁盛していた。 今日も例に漏れず近所の主婦が五・六人八百屋の前でたむろしていたり。 どこぞのじーさんが孫連れて楽しそうに駄菓子を買っていたり。 自転車のかごにぎっしりと買い物袋を詰めてふらふら運転するおばさんがいたり。 高校生が肉屋でコロッケを買い食いしていたり、………コロッケ…。 どうやら、おれの今日の晩飯はコロッケになりそうだ。
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