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「え、何?何?」
春香は話しを中断して訊く。
「あ、ゴメン。足の小指をタンスにぶつけた。」
私は言って、秋ちゃんをにらむ。彼は声をたてず笑う。
「あーそれそれ、それ痛いよねー、平気?んでさぁ、三十分はダルいでしょ?だから、S川近辺でもういいんじゃないかって私は思うんだけど。自然に親しむって訳でもないんだしさぁ。どう?」
「うーん、私はそれでもいいけど。みんなは?」
「あー、これから電話して訊いてみるわ。秋生のバカはさっきからつかまんなくて、話しになんないよ。だから携帯持たせたのに電源切ってあるしさぁ。」
秋生ならここにいる、と喉元まで言葉がでるけどもちろんそんな事は言わない。
春香の秋ちゃん批判をしばらく聞いた後、電話を切った。
長い間、受話器を耳にあてすぎて右耳も左耳もぼんやり痛かった。
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