黒い箱

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部屋に戻ると黒い箱が少し開いている。んっ?鍵がしまっていたのに?と不思議だった。僕は中を見てみることにした。箱をあけるとそこには………んっ?何だこれ?よくわからないブリキのネジ。こんなものがこの大きな箱に?とりあえずブリキのネジを手にとったが…やはり分からない。僕はずっと考えこんでいた。すると妹が部屋に入ってきた。「お兄ちゃん何してるの?」「んっ?わからない事があって」すると妹が僕の手の中にあるネジを見て「お兄ちゃんそれ!」と僕の手から無理やり取られネジをまじまじと見ている。僕は「知ってるのか?」と聞いた。すると妹が真剣な眼差しで答えた「お父さんが大事にしてたブリキ人形のネジじゃない!これがないから動かなくて…お父さんすごく落ち込んでたじゃない!」僕は全てを思い出した。父に怒られた時にはらいせにネジを外し、庭に埋めた記憶。確かにムカついたんだ。でも父はそれがすごいショックだったらしい。 僕は階段をかけ降りるとすぐ父の前まで行き全てを話した。すると父は理解し、落ち着いた声で「もう過ぎた事だ」と僕に言い放った。僕は深い一礼をし、部屋に戻った。すると黒い箱はまたもやしまってあくことはなかった……
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