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私は熱くなる顔に風を当て、冷やすように必死で歩いた。
まるで競歩。
そのまま調度到着した電車に乗り込む。
「なんなのよあいつ‼ありえない💢」
私は怒りに燃えていた。
香織はニタニタと笑いながら私をなだめる。
「まぁまぁ。落ち着いて。なんかあの人本気みたいだったし💕かっこいいからいいじゃない✨しかも商社社長よ❤ベンツ乗ってたし🎵」
「かっこいいお金持ちなら何してもいいわけ⁉私の…私の…。」
「え゛⁉」
香織が奇声をあげる。
目をこれでもかと見開いている。
「一姫キスもまだだったの⁉もしかして…今のがファーストキス⁉」
私は思わず香織から目をそらす。
ますます香織の興奮は高まる。
「えぇぇぇぇ‼」
どこがおかしいんだ。
あたしはまだ高二だもん。
そんなんがないのだって珍しくないじゃない。
「一姫が男嫌いなことは知ってたけど、そこまでだったなんて…。」
「とっとにかく‼あんな軟派な男ありえない‼あたしがいっちばん嫌いなタイプなんだから💢」
香織は苦笑いのまま電車を降りて行った。
「あんな男…本気な訳無いじゃない。」
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