招待

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言いたい放題言った後、親父はリビングから退室した。 改めて比奈と2人きりになったはいいけど、コイツ、両腕で頬杖を突きながら、ニヤニヤが抑えきれてねぇ。 「……ナンデスカ?」 「……いいお父さんですね」 「……~~~っ……あーッ、ウッセー! そろそろスポンジが焼けただろッ! 作業再開するぞッ!」 「……ふふっ……はいはい」 ……チクショー……人をガキ扱いしてるな、比奈の奴。 オーブンからスポンジを出した後も隣でクスクスクスクス笑って…………1度笑い出したら、笑いが止まらないあたり『木野の血』だよな。 「……三等分したスポンジを少しお酒で湿らせると、大人の味になるんですよ」 「……つっても、間に挟むのは苺、バナナ、苺、バナナ、苺……甘味と酸味、どっちが勝つんだろうな。あ、うめぇな、これ」 お菓子用のお酒が売ってることも、今日、知った。 使用した余り……フルーティな香りがするラム酒を少し口に含めば、やんわり胃にアルコールが染み渡る感じ。 「ヒック」 「……大丈夫ですか?」 「あー、果実酒だからってナメてた。意外と度数あるな」
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