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今日、幼馴染みが日本からいなくなる――……
幼馴染みは他にも2人いるけど、アイツは――……比奈は、中でも特別な存在だった。
あれから、5年――……
生きててくれて、ありがとう。
「あ~ん、那衣~、絶対、絶対、連絡ちょうだいよー?」
「長い休みの時は日本に帰ってきてくださいね! 私、ずっと応援してますから!」
「気張って行けよ! 次に会う時は、もっと女らしくなってることを期待してる」
「ハハッ、ありがとな、みんな。木野那衣、世界に挑んできます!」
1月11日。朝9時。
早い時間帯の出発だったにも関わらず、空港には比奈とオニ先輩を見送りに来た人間が、ざっと50人以上集まった。
個性の強い徳峰生は横断幕を広げて、オニ先輩の門出を祝福。先輩はその1人1人とハグを交わして、相変わらずの『女たらし』ぶりで、女の子を泣かしていた。
「恥ずかしい連中で悪かったな」
「キタミ~ン、どうしてそういう事言うの~? 寂しいなら寂しいって、最後くらい素直になりな~?」
「バカッ、やめろッ!」
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