また、会う日まで

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「比奈ぁ~! 俺がプロのサッカー選手になったら、海を越えて遊びに行くからなぁ~!」 「うっ……苦し……」 春人が比奈を抱き締める。男女が五分五分いる中で、ボロボロ泣いているのは春人と――…… 「あーんッ、キノちゃ~~んッ! やっぱり行かないでーッ!」 「アキちゃーん……お前も「会いに行く」くらい言えないのかよ……」 那須野先輩くらい。 容赦ない春人の抱擁に比奈は泡を吹きそうだ。 「……出発前に殺す気か。比奈、大丈夫か?」 「……ケホっ……うん。ありがと、安吾」 安吾は抱擁を交わす代わりに右手を差し出した。比奈もすぐにその手を掴んだ。 「頑張れよ。離れても、時間が経っても、俺たちはずっと幼馴染みだ。ずっと、応援してる」 「……ありがとう。安吾もサッカー頑張ってね。今年こそ光高を全国へ……」 「おう。約束する」 比奈を見送りに来た光高生に囲まれて、しばらく俺は近づけそうにない。 同じように少し離れたところから様子を見ていた西園寺先輩と目が合った。先輩も比奈同様、不安なんて1つもないって顔で見守ってる。信頼しきってる2人の関係は、見ていて凄く……微笑ましかった……
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