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美術部の私でも知らなかった。 渚先生の結婚…。 竜哉はどう思ったんだろう? …そしてどこ行ったんだろう? 美術室の前に来たら。 竜哉がいた。 竜哉は黙って渚先生の作品を見ている。 美術室の外の壁には生徒の作品がはってあって。 たまに渚先生の作品もはってある。 「りゅーやくんv」 渚の声マネで呼んでみたら。 竜哉はビクッとしてこっちを振り向いた。 「タチの悪ぃ事してんなよ」 「タチなんか悪くないわよ」 「悪ぃんだよ!こんな時に!!」 竜哉が叫んだら周りが静かになった。 「…ごめん」 「オレの方こそ…。なんかさ、この絵見てると悲しい時、元気が出るんだよ」 竜哉は壁の方を向き直して。 渚先生の絵を見ながらポツリ、ポツリ話し出した。 .
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