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「なんかパワー、もらえるっつーか。見てると楽しいっつーか。だから悲しい時見るとその悲しいって気持ち忘れられて元気になるんだ。…だから、見に来たんだけど…」
うつむく竜哉。
「渚先生の結婚の事…?」
ほんの少し首を縦に振る。
「見てても…元気がでない…。オレ祝福できない…。本気で好きなんだよっ!」
そう言って竜哉は私に向かって叫んだ。
その目にはうっすら涙がたまってる。
「オレ、5限保健室で休んでる」
竜哉が保健室に向かって歩き始める。
その背中を見ていると。
【教師】と【生徒】なんてどうにかなる訳ないって。
思ってた事なんか消えて。
ただ。
ただ、その背中を応援したくなった。
「竜哉!!」
私の呼び止めに竜哉は振り返らずに止まった。
「私、あんたの事応援する!もう【教師】なんて関係ないじゃん。だからあんたも落ち込んでる暇があるなら渚先生くどき落とせっ!!」
ぼっ。
言いながら顔が赤くなるのが分かる。
なんかくさいこと言ってるよ、自分。
でも。
「だから、頑張れ!」
叫ぶだけ叫びきって顔をあげると。
竜哉が背中を私に向けたまま。
ピースをしてた。
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