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私が竜哉を好き?
ありえない。
今後そういう気持ちになるって。
絶対ありえないんですけど。
チラッ。
いつのまにか隣に来ていた竜哉を。
チラリと見る。
もし仮に私が竜哉を好きになっても。
当の本人が渚先生に夢中じゃ。
どうしようもないし。
何か…。
こんな事じたい考えてるって事は。
私、竜哉の事好きな訳?
校長先生の長い話が終わると。
隣の人がニヤけてくる。
なぜかって?
それは──。
「皆さん。おはようございます」
渚先生が壇上で連絡を入れるからだ。
「おはよーございますv」
竜哉が小声で返事をする。
「今週の連絡は…」
この数分の渚先生の出番を。
見たいがために。
毎週、月曜日の朝礼は。
遅刻出来ないという。
そんなの、先生だって毎日来てんだから。
こんな数分のために、がんばらなくったっていいじゃん。
と、私は思う。
けど、竜哉は。
「朝一番に大好きな人に会えるのって、その日、1日幸せじゃん?」
って言う。
そんなもんかなぁ。
恋って。
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