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…びっくりした。
多分あたしは寝ているんだろうなぁ…という状況から一転、急に女の人の怒鳴り声が聞こえて意識がハッキリしてしまった。
しかしそのまま起きるタイミングを見失い、狸寝入りをしながら彼らの会話を聞いていたのだ。
今度はしっかり目を開けて目の前の状況を見ると、優男が一人と可愛い女の子らしき子が一人。
「お前っ!起きてたのか!?」
「おはようございます、気分はどうですか?…あぁ、あっちの優男バカはほっといて結構ですよ。」
……この可愛い子、見てて癒されるけど見た目とは裏腹に結構毒をもっていそうだ。
…逆らわないようにしよう……
「はぁ、気分は何ともないです。…ところですいませんがここはどこですか?あたし確かマンホールらしき穴に落ちて…ていうか、さっきあたしの名前…?」
「順番にお話しします、落ち着いて聞いてください。
まず、ここは「ごっとカンパニー」
世界を正常に管理するために神話などの神や女神、悪魔や妖などが集っている会社です」
「……………は?」
「そして私の名はオーディン。あっちの馬鹿はロキ、さっき出ていってしまわれた女神はヘルダイムと言います。」
目が点。
今の私の表情を表すならこれほど適切な言葉は無いだろう。
ごっとカンパニー?
オーディン?
ロキ?
ヘルダイム?
な ん だ そ れ は !?
「で、貴女の事なんですが…実はこの バ カ がいたずらで特殊な陣を発動させてしまいまして…」
「だから事故だっつんてんだろ!!」
あたしが話を理解していないにもかかわらず、話はどんどん進んでいく。
「発動させた後に陣が描かれていた紙が燃えてしまって、貴女が貴女の世界に戻ることは………不可能になりました。」
「…………………は?」
紙が燃えて?
あたしがあたしの世界に戻るのは…不可能?
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