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「ちょ、ちょっと待って!!理解させて!」
「お前頭悪いなー」
「「うっさい(黙りなさい)優男!」」
「な、なんだよふたりして……だいたい……ブツブツ…」
一喝して優男(ロキだったっけ?)を黙らせ、部屋の隅で足を抱えてのの字を書いているのを視界の隅に入れながら女の子に向き直る。
「ここはどこ?」
「ごっとカンパニーです」
「あなた達の名前と正体」
「北欧神話のオーディンとロキです」
「なぜ私はここにいるの」
「私達の過失のせいです」
「世界ってなに?」
「私たちが管理、調整しているものです。」
「管理…調整…?…………………………だめだ…ついてけない…」
管理って何!?調整って何!?
もう駄目だよ頭こんがらがるっ!!
「では今度は世界について説明しましょう」
とニッコリ笑ってスケッチブックを取り出すオーディン
…いつの間に出したんだそんなもん……
「まず、この中心にある円が私達がいる世界」
というとページの真ん中に円が描かれた。
「えっ…今のどうやって!?」
「あぁ、魔法ですよ。そしてこの周りの円が私達が管理している世界。…といっても、基本的に私達はその世界に存在している生物に干渉できません。できるのは大気を動かし、水を守り、芽吹きを見守る。魂を送り、その成長を見守り、最後は迎えて次の人生に送り出す。」
「………つまり、輪廻転生をさせている。…てこと?」
「ええ、要約すればそういう事です。」
「…………うーん…じゃあ、なんでそんな面倒くさいことしてんのよ?魂を送るってのならその人の運命とかを無理矢理にでも変えれば良いじゃん」
「一応可能ですが、運命を無理矢理変える事はその世界の崩壊に繋がります。そして一つの世界が滅びれば各世界間に歪みが生じ、最悪私達が今いる世界も含め全てが崩壊してしまうでしょう。それに、生命の運命を変えたりするには私達自らがその世界に入り込み、生命達と共にすごさなければなりません。でも、そちらの方が遥かに面倒くさいですし魔力を使ってしまいます。そんなことをしたがる神は此処にはめったにいません。一部を除いて…ね」
「…!?………寒気が…」
最後には妖しい笑みを浮かべて説明してくれたオーディンには、何故か逆らえない雰囲気があった。(因みに「一部を除いて…」の時、視線はロキの方に向いていた。)
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