序章

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原田零は何もしゃべらずに僕達の目の前を歩いていた。 「ねぇ、君さ。原田零だよね?名前」 「………」 無視されました。 緊張しながら言ったのに……うう。 「おい、シカトすんなよ」 そういって達也が肩をつかんだ。 すると原田零はくるりと振り返った。 「……そうだけど、なに?」 あーはじめて声聞いた。 意外と低いんだ……じゃなくて。 「僕、篠崎真二!!よろしく……」 よろしくね?と言おうとした瞬間。 原田零はしゃべった。 「……自己紹介なら後にして?今は校長室に行かなきゃいけないんでしょ……」 そう言うとまた歩いていってしまった。 達也がまた突っかかりそうだったので押さえた後。 「そうだよね……ごめん。いそがなきゃ!!」 そう言うと僕は達也と静音の手を引いて走った。
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