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あまり良い記憶ではない。
バルジャンの家は貧しく、どれだけ働いても、毎日の暮らしもままならなかった。
両親は早くに他界し、7人兄弟の長男であるバルジャンは朝早くから一日中働き詰めだった。
夜遅くに帰ると、姉が作ったうすいスープを皿に顔を突っ込むようにして食べるのだった。
姉はバルジャンの皿から肉や野菜の切れ端を取り、まだ小さい兄弟たちに分けてやる。
バルジャンはそれを気付かないふりをしてスープをかきこんでいた。
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