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男は何年もの間
洞窟で暮らしていた
そこは鳥たちのさえずりや
太陽が漆黒の空にもたらした大気や色彩の変化や
大地に墜ちていくはかなさや美しさ
日々繰り返される動物たちの争い
月の夜の静けさ
が聞こえてきていた
男はただひっそりと生活するのにだんだん耐えられなくなっていた
そこで彼ははじめて思い出した
あの小屋に残してきたモノを
彼は忘れてしまっていたのだ
彼が唯一読めたモノ
絵という存在に
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