3人が本棚に入れています
本棚に追加
それから彼は絵を描きはじめた
画具もないので
頭でなんどもイメージした
彼はいままでみた景色を思い描いた
言葉をはっせずに
彼はもう文盲でさえなかった
もう彼には言葉を必要としなかった
彼は感じた
自分が充実しているのを
まるで宇宙の一部になったみたいだ
それまでの虚しさ
いいようのない暗闇
暗闇
井戸の底を覗きこんだような
そこが底なのか淵なのかわからない
しかし彼は発見した
底からの輝きを
落下中の男が思うものを
自らの胸の底を
最初のコメントを投稿しよう!