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中学校に入学してから、一ヶ月が経った。
入部する部活も決まり、俺はバスケ部に入った。
―ある朝、学校の昇降口で…
「なあ、た~つ~やぁ」
誰だと思い、振り返ると、小学校からずっと一緒クラスの、相澤一馬(あいざわかずま)だ。
いつもこいつと行動をともにしている。
部活も一緒。
「なんだょ!!?」
一馬は、照れ臭そうにある方向を指差し…
「俺、あの子に一目惚れしちゃったんだょね~!! キャ、我ながら恥ずかしい。」
見てみると、髪が長い女の子とショートよりもちょっと長い髪の女の子が笑いながら話していた。
「はあ…で、どっち??」
「髪が長いほう~♪」
「…ふ~ん」
そうなんだ…興味ない。
「えっ!!??それしか思わないの!!!!??」
「まあ、俺はタイプじゃないし~
恋愛なんて興味ないし…」
「なんだよ…それ!! 俺、本気だから」
どうして…
恋愛に本気になれる…?
「そ~なんだ~ まっ!!頑張ってねぇ。かずちゃん(笑)」
そのときは、恋なんかに全然興味がなかった。
恋をする奴はおかしいんじゃないか…?と、思ってた。
“好き”という感情はどうやったら生まれるのだろう…
分からなかった。
初恋もまだな俺には分かるわけないよ…な…
だから、友達が話している恋愛トーク?というものに入っていけなかった。
“愛”なんてそんなものあるはずないんだ。
そう思っていた。
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