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マジェルは幼い頃より、飛び抜けて好奇心旺盛であった。
それに寄り添い、常にガーゴが後を追う。
いつもは冷静なマリアス妃も、よく大きな声でマジェルを窘めた。
【マリアス妃】
こら、マジェル!その先に行っては駄目よ!
(城の最上階にあるガーデンより上の海中を指差し)あちらは違う世界に繋がっていて、とても恐ろしい所なの。お父上様も、いつもおっしゃっているでしょ?
【マジェル】
え~、でも母様。光りの梯子がとても綺麗なのよ。絶対恐くないわ!キラキラして…あんなに明るくて美しいんだもの。
(マリアスの横に行き、上を見上げ)
私にはガーゴも居るわ!
二人で、あの梯子を辿ってキラキラの素を見てみたいの…。ね、いいでしょ?直ぐに戻るから!
【マリアス妃】
だ~め!マジェルがもう少し大きくなって、ガーゴが居なくても一人で何処かへ行けるようになったら…その時は一日だけ、お父上様に頼んであげる。
だから約束を守って、お勉強もマナーも頑張りなさい。
(マジェルの顔を愛おしく手で撫でながら微笑む)
【マジェル】
…ホントに?ガーゴと二人で行ける?
あ~ぁ、早く大きくならないかな。ねぇガーゴ、ガーゴはこんなに大きくなったのに。
(小さな手でガーゴの顔を引き寄せ)
【ガーゴ】
マジェルは人魚でしょ?僕は海竜なんだよ!
マジェルが、僕くらいこんな大きくなったら皆ビックリだよ。
【マジェル】
ハハハ、ホントだね。でもガーゴは、これで小さくなれるでしょ?
(首からかけた貝殻の笛を吹く…すると、ガーゴの身体がみるみる小さくなっていく)
【マリアス妃】
マジェルったら…ガーゴをそんな風に扱うもんじゃありません!
【マジェル】
こうすればガーゴを抱っこ出来るもの。母様、部屋へ戻ろう!お腹空いちゃった。
(そう言って、笑顔でガーゴを抱きしめ泳ぎ去る)
母様!競争ね~!
【マリアス妃】
はいはい、何故あんな男の子みたいにヤンチャになったのかしら…
(そう呟きマジェルの後を追う)
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